トイレの神様 / 植村花菜
By JIMz
小3の頃からなぜだか おばあちゃんと暮らしてた 実家の隣だったけど おばあちゃんと暮らしてた
毎日お手伝いをして 五目並べもした でもトイレ掃除だけ苦手な私に おばあちゃんがこう言った
トイレには それはそれはキレイな 女神様がいるんやで だから毎日 キレイにしたら 女神様みたいに べっぴんさんになれるんやで ♪
その日から私はトイレを ピカピカにし始めた べっぴんさんに絶対なりたくて 毎日磨いてた
買い物に出かけた時には 二人で鴨なんば食べた 新喜劇録画し損ねたおばあちゃんを 泣いて責めたりもした
トイレには それはそれはキレイな 女神様がいるんやで だから毎日 キレイにしたら 女神様みたいに べっぴんさんになれるんやで ♪
少し大人になった私は おばあちゃんとぶつかった 家族ともうまくやれなくて 居場所がなくなった
休みの日も家に帰らず 彼氏と遊んだりした 五目並べも鴨なんばも 二人の間から消えてった
どうしてだろう 人は人を傷付け 大切なものをなくしてく いつも味方をしてくれてた おばあちゃん残して ひとりきり 家離れた ♪
上京して2年が過ぎて おばあちゃんが入院した 痩せて細くなってしまった おばあちゃんに会いに行った 「おばあちゃん、ただいまー!」ってわざと 昔みたいに言ってみたけど ちょっと話しただけだったのに 「もう帰りー」って 病室を出された ♪
次の日の朝 おばあちゃんは 静かに眠りについた まるで まるで 私が来るのを 待っていてくれたように
ちゃんと育ててくれたのに 恩返しもしてないのに いい孫じゃなかったのに こんな私を待っててくれたんやね
トイレには それはそれはキレイな 女神様がいるんやで おばあちゃんがくれた言葉は 今日の私を べっぴんさんにしてくれてるかな トイレには それはそれはキレイな 女神様がいるんやで だから毎日 キレイにしたら 女神様みたいに べっぴんさんになれるんやで ♪
気立ての良いお嫁さんになるのが 夢だった私は 今日もせっせとトイレを ピカピカにする おばあちゃん おばあちゃん ありがとう おばあちゃん ホンマに ありがとう
2023-07-17
- 植村花菜 - うえむら かな
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